睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠時に呼吸が何度も停止したり、低呼吸に陥ったりする病気です。寝ているときの出来事なので、自覚症状を認識していないケースもありますが、無呼吸状態が慢性的に続くようになると、眠りは常に浅く、熟睡感が乏しくなります。患者様自身は睡眠をしっかりとっているつもりでも、日中などの活動時において強い眠気に襲われるようになるなど、様々な問題が起こります。

主な症状

  • いびきがうるさい
  • 日中の眠気がある
  • 朝起きると体が重い
  • 倦怠感
  • 熟睡感がない
  • 起床時の頭痛
  • ED(勃起不全)
  • 夜中に何回もトイレに行く
  • 集中力や記憶力の低下 など

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断・治療

まず、気道を狭くしている原因を検索します。内視鏡を用いて鼻の中やのどに病気がないかを確認し、必要に応じて血液検査などを行います。さらに上記のような症状がある患者様には、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行います。専用の機器を貸し出しますので、ご自宅で検査していただきます。具体的には、口と鼻に呼吸センサーを取り付け、指に血中酸素濃度を調べるセンサーを装着して一晩就寝していただきます。これにより、睡眠中の呼吸状態などを確認します。
睡眠時無呼吸症候群と診断された患者様には、主にCPAP療法を行います。これは、鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除く治療法です。中等症から重症の患者様にとても有効で、今や睡眠時無呼吸症候群の最も重要な治療法となっています。
なお比較的に軽度の患者様の場合、マウスピースの装着で対応することもあります。その場合は、歯科医院を受診していただき、専用のマウスピースを作製します。その後、これを装着して就寝します。下あごを上あごよりも前に出るように固定することにより、気道を広く確保し、無呼吸状態を改善できます。